明治という、きびしくも、昭和に比べると自由で明るく闊達な時代を生きた人々の人生をいきいきと描いた本である。新書という形態で出版されているが、新書らしからぬ読みやすい文体で物語形式になっている。

内容は大きく3章に分かれており、

第1章が「睦人天皇の恋」
星新一の著作に「夜明けのあと」という、明治中期の新聞等の記事を抜き出して、年を追って並べた著作を題材に、明治時代を作者と一緒に読んで行く。タイトルにある「は明治天皇(睦人天皇)が侍女と恋をして皇后が立腹したという明治7年の新聞記事を中に、神になる前の人間としての天皇と、明治人の天皇に対する思いを追って行く。

第2章が「学歴のない学歴」
森洗(金編)造という、学(校)歴はなくとも真摯に学問に取り組んだ学者をとりあげる。「井原西鶴の著作は好色一代男のみ」という学説を中心に、学問に真摯に取り組む明治人の人生を語る。

第3章が「マリとあや」
明治36年生まれのマリと明治37年生まれのあや。二人は明治の文豪である森鴎外と幸田露伴の娘である。それぞれがまったく別々の人生を歩みながらも、どこか似通った明治人らしい共通点をさぐる。

 岩波新書というと「お固い新書」、「専門書をわかりやすく記した新書らしい新書」といったイメージを持っていたが、良い意味で裏切られた本です。子気味よく展開される明治の世界にぐいぐいと引き込まれます。
著者の森田誠吾は直木賞作家が交通事故にあった際に、病床で乱読した本を元に書いた旨が、あとがきに書かれている。タイトルの「明治」に惹かれて適当に買った本だったが、一気に読んでしまいました。

今回紹介した本




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